メーカー:マルシン
全長:205 mm
重量:605 g
材質:ABS / ウォールナット木材
装弾数:12+1 発
動力源:HFC134a
※ロットにより刻印・仕様等が異なる場合が御座います。
【実銃より】
大正13年(1924年)に、陸軍造兵廠名古屋工廠で開発された自動拳銃。
南部 麒次郎が設計した南部大型自動拳銃をベースに、問題だった製造コストと耐久性を解決するための簡略化と、安全機構の見直しが行われ、大正14年(1925年)に『十四年式拳銃』の制式名で採用された。
その後、日本陸軍の代表的拳銃として大正から昭和の旧軍解散直前まで製造され続け、将校や憲兵の携帯火器、またはパイロットや戦車兵の護身火器として終戦まで活躍した。
作動はショートリコイルで、発砲の反動によって銃身とボルトがわずかに後退すると、内部のロッキングブロックが揺動することでロックが解かれ、銃身の後退が止まり、ボルトだけが後退する。外見こそドイツのルガー P08と似ているが、むしろモーゼル拳銃に近いメカニズムである。開発当時、セミオートマチック拳銃の開発で先行していたヨーロッパの製品を参考にした後がうがかえる銃である。
銃自体の性能はと云うと、当時の諸外国の拳銃と比べると見劣りがする。まずトリガーガードが小さく、手袋をしていると指が入らない。ファイアリングピンの不良で不発が多い。弾倉の固定が甘く、射撃時の衝撃で脱落する。板バネによるストッパーで改修されたかと思えば、今度は弾倉が思ったように抜けず、弾倉の問題は最後まで解決されなかった。そして8mmの中途半端な弾は、実測値では.380AUTO弾程度の威力しか無かった。
それでも有る物は使う日本人の精神で、様々な改良修正を加え続けた十四年式拳銃は何とか諸外国並みの性能を持つに到り、戦後も日本の警察や、武装解除で接収された物がアジア各国で使用された。前述のトリガーガード問題も手袋着用時にも扱えるように、昭和13年以降製造の後期型では大型化されている(上掲画像も後期型)。
一方で、大戦末期の1944~1945年には工程が簡素化され、表面の研磨処理を省いてブルー処理を施すなどの、粗悪な戦時急造品も作られている。