メーカー:KSC
全長:195mm
重量:670g
材質:HW樹脂
装弾数:10+1発
動力源:HFC134a
●発射モード:セミオート
●SYSTEM7エンジン搭載
●フラットマグバンパー付属
【ヘヴィウェイト製品について】
重量を増すために混入されている金属粉により、質感が均一でなく部分的なムラを生じます。
あらかじめご了承ください。
いかにも東側らしいストイックな軍用拳銃を、ヘヴィウェイト樹脂で重厚に再現。
HW特有の冷たく重いスライドを引き、トリガーを絞ればラピッドファイア(速射)にも高速で追従する驚きのパフォーマンス。
システム7エンジンと精密チェンバーによる高い実射性能を誇ります。
またユニークな構造のハンマーなど、耐久性に優れた焼結パーツを7点も採用。
止めネジを使用しないグリップほか、見事にユニット化されたメカニズムを徹底再現しました。
さらに新旧2種のマグベースが付属します。
【実銃より】
ソビエトのヒョードル・バジレヴィッチ・トカレフ(Фёдор Васильевич Токарев)技師が、アメリカのM1911とベルギーのFN M1910を参考に開発した自動拳銃。制式名は"Пистолет обр. 1930 г(pistolet obr1930g)"で1930年型自動拳銃の意。TT-30及びTT-33という名称のほうが広く知られているが、これらは部品の互換性のない初期生産型と改良型とを区別するために付けられたものである。ТТとはトゥルスキー・トカレヴァ(Тульский-Токарева)の略称で、トゥーラ造兵廠トカレフ式の意である。
1930年にソビエト軍に制式採用され、1933年には改良型のTT-33が登場した。また、製造年によってセレーションの形状などに細かい変更点もいくつか見られる。特に戦中・戦後生産型は、M1911のようなシンプルなセレーションに変更され、物資不足から本来ベークライト製のグリップパネルを製造工場の近辺に生えていたカバ材から削り出した木製パネルに変更したモデルもあった。
オリジナルは1953年に製造を終了し、後継モデルのマカロフに置き換えられたが、東側諸国で多数ライセンス・コピー生産された。 正確な総生産数は不明ながら、M1911と並んで『世界で最も多く生産された拳銃』と称されることもある。
当時、革命から間もないソ連では、早期に軍備に整える必要があったことから、トカレフの設計は生産性を最優先とされた。まず、弾薬はモーゼルミリタリー用の.30マウザー(7.63mm×25)弾を元に作られた.30トカレフ(7.62mm×25)弾を採用した。これは、当時のソ連軍の制式歩兵銃だったモシンナガン小銃と同じ口径とすることで、銃身の製造工程の多くを転用することができたためである。帝政時代にモーゼルミリタリーなどと共に大量に輸入した30マウザー弾のストックを活かす意味もあったようだ。
そして生産性を追求するあまり、参考としたM1911やFN M1910で採用されていたあらゆるマニュアルセイフティを省略した。ハンマーのハーフコック機能が唯一の安全装置で、これは、薬室に弾が装填されたまま携帯する必要があった場合の、ギリギリの安全措置である。しかし、厚い手袋や防寒具を着用した状態でも服などに引っかけて暴発しないよう、指掛けを丸めたラウンドハンマーとしたため、ハーフコック位置へとハンマーを操作するのはかなり困難であった。後年登場した中国製の五四式拳銃や、ツァスタバ社(旧ユーゴスラビア)などの一部のコピー製品では、輸出(民生用)も意識してかサムセイフティが追加されている。
とはいえ、安全面での不安を考慮に入れても、シンプルでユニット化された構造による高い整備・生産性、厳しい環境下での確実な作動など、強みも少なくない。.30トカレフ弾は、ライフル弾と同様、薬莢の先が酒瓶の様にすぼんでいるボトルネックカートリッジであり、弾速が速く貫通力に優れている。レベルIIのボディアーマーを易々と突き抜けるため、警官達に恐れられた。ただ、命中してもそのまま人体を貫通してしまうためにストッピングパワーは低いとも云われている。